浴室暖房乾燥機は必要?メリット・デメリット・後付け費用まで徹底解説

「浴室暖房乾燥機って、本当に必要なの?」
「お風呂のリフォームをするなら付けた方がいい?」
「今のお風呂にも後付けできる?」
お風呂リフォームで迷いやすいオプションのひとつが、浴室暖房乾燥機です。
冬場の浴室を暖めたり、雨の日に洗濯物を乾かしたりできる便利な設備ですが、すべての家庭に必須というわけではありません。
普段の洗濯方法や浴室の寒さ、家族構成によっては、設置してもほとんど使わなくなることもあります。
この記事では、
浴室暖房乾燥機でできること
メリット・デメリット
電気式とガス温水式の違い
100V・200Vの違い
後付けできる条件
後付け費用の目安
どんな家庭におすすめなのか
まで詳しく解説します。
浴室暖房乾燥機とは?
浴室暖房乾燥機とは、浴室の天井や壁に設置し、暖房・乾燥・換気などを行う設備です。
メーカーや機種によって異なりますが、主に次の機能があります。
暖房
入浴前に浴室内を暖める機能です。
冬場に冷え切った浴室へ入る際の温度差を小さくするために役立ちます。
特に、
タイル張りの在来浴室
北側にある浴室
大きな窓がある浴室
築年数が経過している住宅
などでは、冬場の寒さ対策として検討されることが多い設備です。
衣類乾燥
浴室内に洗濯物を干し、温風などで乾燥させます。
雨の日や梅雨時期だけでなく、
花粉が多い季節
黄砂が気になる日
共働きで夜に洗濯する家庭
外干しをしたくない家庭
にも便利です。
浴室乾燥
入浴後の浴室内を乾かすために使用します。
浴室の壁・床などに残った水分を乾きやすくすることで、湿気対策やカビ対策につながります。
ただし、浴室乾燥機を使えば「カビが絶対に生えない」というわけではありません。
日頃の換気や清掃も必要です。
換気
通常の浴室換気扇と同じように、浴室内の湿気を屋外へ排出します。
機種によっては24時間換気に対応しています。
涼風
夏場に送風し、入浴時の暑さを和らげる機能です。
エアコンのように室温を大きく下げる冷房機能ではなく、風を送ることで体感温度を下げる機能と考えると分かりやすいでしょう。
【実際の施工事例のご紹介】
Before

After

参考価格:約21万円
施工期間:1日
施工内容:換気扇交換/配線/分電盤増設/本体設置
コメント:
栃木県日光市にて、浴室暖房の取付工事を行いました。既存の換気扇を交換し、浴室暖房乾燥機を新たに設置。あわせて配線工事と分電盤の増設を行い、200V用・100V用の子ブレーカーをそれぞれ追加しています。
栃木県日光市は冬場に冷え込みやすく、浴室と脱衣所との温度差が気になる地域でもあります。浴室暖房を設置することで、入浴前に浴室内を暖められ、寒い時期の入浴をより快適に。急な温度差によるヒートショック対策としてもおすすめです。
浴室暖房乾燥機と普通の換気扇は何が違う?
浴室暖房乾燥機と浴室換気扇の大きな違いは、温風を出せるかどうかです。
一般的な浴室換気扇は、主に浴室内の湿った空気を屋外へ排出します。
一方、浴室暖房乾燥機では、
換気
暖房
衣類乾燥
浴室乾燥
涼風
など複数の機能を持つ商品があります。
「お風呂の湿気を排出できれば十分」という方なら通常の換気扇でも問題ありません。
一方、
「冬のお風呂を暖めたい」
「浴室で洗濯物を乾かしたい」
という場合は、浴室暖房乾燥機を検討するメリットがあります。
浴室暖房乾燥機は必要?結論からいうと「生活スタイル次第」
浴室暖房乾燥機は便利ですが、すべての家庭に必要とは限りません。
特におすすめなのはこんな家庭
冬のお風呂がとても寒い
高齢者と一緒に暮らしている
洗濯物を外に干せない日が多い
共働きで夜に洗濯することが多い
花粉症で外干しを避けたい
浴室に窓がない
浴室の湿気やカビが気になる
反対に、
洗濯乾燥機を毎日使っている
サンルームや室内干しスペースがある
浴室の断熱性が高く冬でもあまり寒くない
暖房・乾燥機能をほとんど使わない
という場合は、通常の換気扇だけでも十分なことがあります。
大切なのは、「付けられるから付ける」のではなく、自分たちが実際に使う機能なのかを考えることです。
メリット1|冬場の浴室を暖められる
浴室暖房乾燥機の大きなメリットが、入浴前に浴室を暖められることです。
冬になると、
暖かいリビング
↓
寒い脱衣所
↓
さらに寒い浴室
↓
熱い浴槽
というように、短時間で大きな温度差が生じることがあります。
高齢者の入浴事故対策としても、国土交通省関連情報では、入浴前に脱衣所や浴室を暖めて温度差を小さくすることが推奨されています。
浴室暖房乾燥機を使えば、入浴前に浴室内を暖めておくことができます。
ただし、浴室暖房だけですべて解決するわけではありません。
冬場の寒さが強い住宅では、
浴室の断熱
窓の断熱
脱衣所の暖房
浴室暖房乾燥機
を組み合わせることで、より効果的な寒さ対策になります。
→ 冬のお風呂が寒い!浴室リフォームでできる断熱・寒さ対策を見る
メリット2|雨の日でも洗濯物を乾かせる
浴室暖房乾燥機があると、浴室を洗濯物の乾燥スペースとして利用できます。
特に便利なのが、
梅雨
雨の日
花粉の時期
黄砂が多い日
夜間の洗濯
です。
浴室はもともと水に強い空間なので、室内干し専用の部屋がない住宅でも使いやすいのがメリットです。
また、リビングなどに部屋干しする場合と比べて、生活空間に洗濯物が並びにくいという利点もあります。
衣類乾燥にはどれくらい時間がかかる?
乾燥時間は、
洗濯物の量
浴室の広さ
気温
湿度
浴室の断熱性能
窓の大きさ
機種の能力
によって変わります。
Panasonicも、浴室暖房乾燥機の乾燥能力・暖房能力について、気温や浴室サイズ、窓の有無、断熱状態などによって変化すると案内しています。
そのため、
「必ず○時間で乾く」
とは言い切れません。
衣類乾燥を重視する場合は、カタログなどで「標準乾燥時間」や「適用浴室サイズ」も確認しておきましょう。
メリット3|浴室を乾燥させてカビ対策ができる
入浴後の浴室は非常に湿度が高くなります。
そのまま湿った状態が長時間続くと、カビが発生しやすい環境になります。
浴室暖房乾燥機を使用して浴室内を乾燥させることで、
壁
床
天井
などに残る水分を減らしやすくなります。
機種によってはカビ抑制を目的とした専用機能もあります。
例えばリンナイの一部の温水式浴室暖房乾燥機では、ミストを使用してカビの発生を抑える機能を搭載しています。
→ 掃除しやすいお風呂にするには?リフォームで選びたいおすすめ機能を見る
メリット4|窓をなくした浴室にも相性がいい
最近のお風呂リフォームでは、
「大きな窓をなくす」
「窓を小さくする」
という選択をする方もいます。
窓をなくした場合でも、換気設備で浴室内の湿気を排出できます。
浴室暖房乾燥機なら、換気に加えて乾燥まで行えるため、窓をなくすリフォームとの相性も良い設備です。
ただし、
窓をなくしたから浴室暖房乾燥機が必須になるわけではありません。
通常の浴室換気扇でも適切な換気ができるケースは多くあります。
→ お風呂の窓は必要?リフォームで「残す・小さくする・なくす」を比較を見る
浴室暖房乾燥機のデメリット
便利な設備ですが、設置前にデメリットも把握しておきましょう。
デメリット1|本体代と工事費がかかる
通常の換気扇に比べて、浴室暖房乾燥機は機器価格が高くなります。
さらに、
電気配線工事
専用回路工事
天井開口工事
ダクト工事
ガス温水式の場合は温水配管
などが必要になるケースがあります。
そのため、現在の設備状況によって工事費が変わります。
デメリット2|電気代・ガス代がかかる
換気運転だけであれば消費電力は比較的小さいですが、暖房や乾燥では多くのエネルギーを使用します。
例えばPanasonicの一部壁掛けタイプでは、暖房強運転時の消費電力が約1,405Wとなっています。
そのため毎日長時間衣類乾燥を使う場合は、光熱費も考えておきましょう。
特に、
「毎日洗濯物を乾燥させたい」
という場合には、
浴室暖房乾燥機
ドラム式洗濯乾燥機
ガス衣類乾燥機
などと比較するのもおすすめです。
デメリット3|フィルター掃除が必要
浴室暖房乾燥機は、内部にホコリが入り込むのを防ぐためフィルターが付いています。
フィルターにホコリがたまると、
風量が弱くなる
暖房効率が落ちる
乾燥時間が長くなる
などにつながる可能性があります。
商品ごとに清掃方法や推奨頻度が異なるため、説明書に沿って定期的にお手入れしましょう。
デメリット4|思ったより使わなくなるケースもある
浴室暖房乾燥機を付けたものの、
「乾燥は洗濯乾燥機を使っている」
「冬以外は暖房を使わない」
「電気代が気になって使わなくなった」
というケースもあります。
浴室リフォームでは多くのオプションがあるため、
「あると便利そう」だけで選ぶのではなく、週に何回使うのか
を想像して選ぶことが重要です。
電気式とガス温水式の違い
浴室暖房乾燥機には、大きく分けて、
電気式
ガス温水式
があります。
項目 | 電気式 | ガス温水式 |
|---|---|---|
熱源 | 電気 | ガスで作った温水 |
設置しやすさ | 比較的設置しやすい | 熱源機・温水配管が必要 |
暖房能力 | 機種により異なる | 比較的パワフル |
暖まり方 | 機種により異なる | 立ち上がりが早い傾向 |
初期費用 | 比較的抑えやすい | 高くなる場合がある |
ランニングコスト | 電気料金による | ガス料金・契約条件による |
後付け | 比較的しやすい | 設備条件による |
ガス温水式は、熱源機で作った温水を利用して浴室を暖めます。リンナイでは温水式の浴室暖房乾燥機を展開しています。
一般的には、ガス温水式は暖房能力が高く、立ち上がりが早い傾向があります。東京ガスも温水式について、温水を利用することで暖まりが早くパワフルという特徴を紹介しています。
電気式には100Vと200Vがある
電気式を選ぶ場合に確認しておきたいのが、電源です。
機種によって、
100V
200V
があります。
一般的に200Vタイプは暖房能力を確保しやすく、比較的大きな浴室や暖房性能を重視する場合に採用されます。
ただし、200Vタイプを設置する場合は、
分電盤に空きがあるか
200V回路を引けるか
契約容量に問題がないか
などの確認が必要です。
「200Vの方が必ず良い」というわけではないため、浴室サイズや使い方に合わせて選びましょう。
天井埋込型と壁掛け型の違い
浴室暖房乾燥機には設置方法にも違いがあります。
天井埋込型
ユニットバスでは一般的なタイプです。
天井部分に機器を埋め込むため、見た目がすっきりします。
浴室リフォーム時にユニットバスと一緒に設置する場合は、このタイプが選ばれることが多くなります。
壁掛け型
既存浴室への後付けで利用されることがあります。
既存の換気扇を残しながら、暖房機能だけを追加できる機種もあります。
Panasonicにも浴室換気扇と連動できる壁掛けタイプがあります。
在来浴室などで天井に埋込型を設置しにくい場合は、壁掛けタイプが候補になります。
浴室暖房乾燥機は後付けできる?
結論からいうと、後付けできる住宅は多くあります。
ただし、現在の浴室の状態によって工事内容は大きく変わります。
後付けしやすいケース
例えば、
既存の天井換気扇がある
天井裏に十分なスペースがある
電気配線を施工しやすい
分電盤に空きがある
といった場合は、比較的スムーズに設置できる可能性があります。
後付けが難しいケース
反対に、
天井裏が狭い
梁などが干渉する
天井開口寸法が合わない
専用回路を引くのが難しい
換気ダクトを設置できない
ガス温水配管を通せない
といった場合は、設置方法の変更や追加工事が必要になることがあります。
そのため、後付けの場合は必ず現地調査を行います。
浴室暖房乾燥機の後付け費用はどのくらい?
費用は、
機器の種類
電気式・ガス温水式
天井埋込型・壁掛け型
専用回路工事の有無
ダクト工事
天井補修
温水配管工事
などによって変わります。
目安としては、
電気式で約10万~20万円前後
から検討するケースが多く、追加工事が必要になるとさらに費用がかかる場合があります。
ガス温水式については、熱源機や配管条件によって価格差が大きくなります。
現在販売されている温水式浴室暖房乾燥機でも、基本工事込みで13万円台~20万円台程度の商品例があります。
あくまで目安なので、実際には現地調査後の見積もりで確認しましょう。
浴室リフォームと同時に付ける方がおすすめ?
これからユニットバスを交換するのであれば、同時に検討するのがおすすめです。
ユニットバス交換時なら、
天井
電気配線
換気ダクト
分電盤
壁内部
を確認しながら施工できます。
後から設置すると、完成した天井を開口したり、配線を追加したりする必要が出ることがあります。
そのため、
「今は要らないけれど将来的には付けるかもしれない」
という方も、リフォーム時に一度施工会社へ相談しておくと安心です。
浴室暖房乾燥機だけでお風呂は暖かくなる?
ここもよくある勘違いです。
浴室暖房乾燥機は浴室を暖める設備ですが、浴室そのものの断熱性能を高める設備ではありません。
例えば、
大きな単板ガラスの窓
断熱材のない壁
冷えやすいタイル床
などがある浴室では、暖房を止めるとすぐに冷えてしまうことがあります。
在来浴室からユニットバスへ変更する場合は、
断熱浴槽
断熱材
浴室窓
床
浴室暖房
をまとめて検討するのがおすすめです。
→ 冬のお風呂が寒い!浴室リフォームでできる断熱・寒さ対策を見る
浴室暖房だけでなく脱衣所も重要
入浴時の温度差対策では、浴室だけ暖かくしても十分とは限りません。
例えば、
リビング20℃
↓
脱衣所10℃
↓
浴室20℃
という状態では、脱衣所へ移動した時点で大きな温度差が生じます。
そのため高齢者がいる住宅などでは、
脱衣所暖房
浴室暖房
窓断熱
住宅全体の断熱
まで含めて考えることをおすすめします。
国土交通省関連情報でも、家の中の温度差を小さくするため、浴室だけでなく脱衣所なども暖めることが紹介されています。
浴室暖房乾燥機の選び方
1.一番使いたい機能を決める
まずは、
冬の暖房
洗濯物の乾燥
浴室乾燥
換気
のうち、何を目的に設置するのか整理しましょう。
「衣類乾燥を毎日使いたい方」と「冬場だけ暖房を使いたい方」では、適した機種が変わります。
2.浴室の広さに合った能力を選ぶ
浴室暖房乾燥機には適用浴室サイズがあります。
例えば、
0.75坪
1坪
1.25坪
などです。
能力が足りないと、暖房や乾燥に時間がかかる可能性があります。
メーカーの適用サイズを確認して選びましょう。
3.電気式かガス温水式か確認する
現在の住宅設備によって選択肢が変わります。
オール電化住宅などであれば電気式が選びやすく、床暖房などでガス温水暖房用熱源機を使用している住宅では、ガス温水式を検討しやすい場合があります。
4.お手入れしやすさを確認する
長く使用する設備なので、
フィルターが外しやすいか
清掃時に手が届くか
お知らせ機能があるか
なども確認しておきましょう。
浴室暖房乾燥機が向いている人・向いていない人
向いている人
冬の浴室が寒い
高齢者がいる
外干しできない日が多い
花粉症がある
共働きで夜に洗濯する
浴室をできるだけ乾燥させたい
必要性が低い場合がある人
ドラム式乾燥機を毎日使う
ガス衣類乾燥機を使っている
室内干し専用スペースがある
浴室の寒さに困っていない
暖房機能を使う予定がない
お風呂リフォーム時に迷ったら、この3点で判断
浴室暖房乾燥機を付けるか迷ったら、
①冬のお風呂は寒いか
②洗濯物を浴室で乾かしたいか
③実際に週何回使いそうか
を考えてみてください。
3つのうち2つ以上当てはまるのであれば、設置するメリットを感じやすい設備です。
逆に「なんとなく便利そう」という理由だけなら、一度通常の換気扇と価格差を比べてから決めても良いでしょう。
浴室暖房乾燥機を検討している方へ
浴室暖房乾燥機は、機器単体だけを見て選ぶのではなく、
浴室の広さ
断熱状態
窓
電気容量
ガス設備
洗濯方法
家族構成
まで含めて選ぶことが大切です。
特にお風呂リフォームと同時に設置する場合は、ユニットバスの仕様とあわせて計画できるため、設備をすっきり納めやすくなります。
私たちは、現在のお風呂や電気・ガス設備を確認したうえで、
「浴室暖房乾燥機を付けた方がいいのか」
「通常の換気扇だけで十分なのか」
「今のお風呂に後付けできるのか」
といった点も含めてご提案しています。
「付けるかまだ決めていない」という段階でもお気軽にご相談ください。
まとめ|浴室暖房乾燥機は「実際に使うか」で決めよう
浴室暖房乾燥機には、
浴室暖房
衣類乾燥
浴室乾燥
換気
涼風
など便利な機能があります。
特に、
冬場の浴室が寒い家庭や、浴室で洗濯物を乾かしたい家庭にはメリットの大きい設備です。
一方で、本体・工事費やランニングコストがかかるため、すべての家庭に必須というわけではありません。
お風呂リフォームでは、
「高機能だから付ける」
のではなく、
「自分たちの暮らしで本当に使う機能か」
という視点で選ぶことが大切です。
また寒さ対策を目的に設置するのであれば、浴室暖房乾燥機だけではなく、窓や壁・床の断熱、脱衣所暖房なども含めて検討すると、より快適なお風呂につながります。




